石油エッセイ
●「石油技術協会エッセイ」
著者:アブ・パル

 久々にエッセイの更新をということで、全く自信のないまま筆をとらせていただくことになりました。
昨年日本は、ただ「未曾有」の一言では済まされない、大変な災害に直面いたしました。亡くなられた方々、親しい人々・思い出の品々・家・仕事…たくさんの物を失った皆さんに、私はかける言葉が見つかりません。ただ一日も早く、それでも生きていて良かったと心から思える日が来ることを祈るばかりです。
立場を越え、国を越えて届く、暖かい励ましの言葉・祈りの言葉を目にし、耳にするたびに、こんなにも人はやさしくなれるものなのだとあらためて思います。人のことを心から思いやり、行動に移せる人々、できれば自分もそうありたいと思います。

石油開発の技術者として現在海外で働いています。技術も大事、プレゼンも大事、負けたくないという強い気持ちも大事、どれも大変大切なことなのですが、結局仕事は人と人とのつながりの中で動いていくものなのだという思いに行きつきます。自分も、我々を励ましてくれた人々のように、やさしく相手の気持ちを思いやれるのだろうか。それがどんなときにもゆるぎないものとして自分の中に持ち続けることができるのだろうか。そんなことを心の片隅に置きつつ、今日も深呼吸をして仕事に取り組みたいと思います。